ROCKYOU!!2021 課題曲

課題曲

テーマとなるアルバム作品、シングル作品を紹介いたします。
作品作りの参考にしてください。

アルバム課題曲

1. Norah Jones – feels like home

育緒

雨の日の午後が特に、このスモーキー&ハニーな歌声が心地いいと感じます。車の運転をする時に聞くアルバムのマイベストだし、「Those sweet words」は1年間ずっと朝の目覚まし曲に設定していたくらい私の日常生活と波長が合います。この〈feels lile home〉な感触を写真でどう表現しようか、楽しみながら悩んでみます。家で過ごす時間が長い今、自宅の心地よさについてカメラを向けてみるのは大切なことではないでしょうか。

2. ピアノ・ソナタ第 21 番 変ロ長調 D960

作曲/シューベルト Schubert, Franz
Piano/内田光子

育緒

内田さんは私が心から尊敬するピアニストで、音楽のみならず、その言葉からも様々な影響を受けてきました。シューベルトは最後にこのD960を遺し、31年の孤独な生涯を閉じます。内田さんの孤高とシューベルトの孤高が重なってゆく曲の終盤は、この世のものと思えない唯一無二の音世界です。悪性の梅毒に蝕まれてからのシューベルトが遺した〈死〉に触れる旋律を、私は愛して止みません。また自由に渡航きる日が来たら、ウイーンの光の中で改めてこの曲のために写真を撮ってみたいと思っています。

3. Schubert, Franz – 美しき水車小屋の娘 D795

作曲/シューベルト Schubert, Franz
バリトン/マティアス・ゲルネ piano/クリストフ・エッシェンバッハ

育緒

「冬の旅」「白鳥の歌」と並ぶシューベルト3大歌曲集のひとつです。テノールのために書かれた曲と言われていますが、私はバリトン/マティアス・ゲルネのバージョンに魅かれます。アップしたYouTubeの動画は20曲目、つまりクライマックスの「小川の子守歌」。これもまた〈自ら死を選んだ人〉を歌っているのに美しい。しかも切なさとは違う美しさに満ちていると私は感じます。みなさんがどんな写真をこの歌曲に添わせるのか、楽しみです。

4. Recomposed By Carl Craig & Moritz Von Oswald

大和田良

カール・クレイグとモーリッツ・フォン・オズワルドによって、ラヴェルの「ボレロ」「スペイン協奏曲」、ムソルグスキーの「展覧会の絵」が再構築された作品。

5. Operation Ivy – Energy

大和田良

RANCIDの前身であるバンドOperation Ivyのフルアルバム。高校生の頃の衝動だとか焦燥感まで一緒に再生される一枚。

6. Víkingur Ólafsson – Philip Glass Piano Works

安達ロベルト

最も有名な現代音楽作曲家の一人であるグラスは、ミニマルミュージックの旗手であり、映画音楽やブロードウェイミュージカルも手がける。アイスランド出身のピアニストのオラフソンは、ややもすると単調になりがちなグラスの曲を、非常にリリカルに弾きこなす。

7. Nils Frahm – All Encores

安達ロベルト

ドイツ人コンポーザー&ピアニスト、シンセサイザー奏者のニルス・フラームは、クラシックと電子音楽の間を常に世界が驚くかたちで行き来している。数多くある彼の作品の中でもこのアルバムは、BGMにもなるミニマルさと、聴き込むほどに発見のある複雑さが同居している。

8. King Crimson – Red

鈴木光雄

プログレッシブ・ロックの名盤を制作しつづけたKing Crimsonが解散前(のちに再結成)に発表したアルバム。作品制作を始めた初期30歳半ば頃に、このアルバムを良く聴いて創作のインスピレーションを得ていました。タイトル曲「Red」は、アルバムジャケット裏面のレッドゾーンを振り切っているタコメーターの写真を見ながら聴くのがお勧めです。

9. PRINCE – LOVESEXY

鈴木光雄

花を背景に合成したフルヌードのプリンスの写真が問題になったアルバム。愛をテーマにしたこのアルバムは、プリンスらしいポップでファンク色が強く完成度の高い楽曲が収録されている。

10. Björk – Post

塚本宏明

1995年に発表したアルバム。ビョークが世界的に売れて影響力を持つ前夜の作品で、ダンスビートが心地よく、聞いていて楽しい。発売当時、何となく人気らしいということで手に入れてから、今でも聞き続けているアルバム。

11. Coldplay – Parachutes

塚本宏明

2000年に発売され世界で大ヒットしたデビューアルバム。アコースティックでスローテンポな曲が多く、詩もメランコリックで内向き。派手さはないが純朴さや誠実さのある繊細な表現が、売れた後の作品と比べて魅力的です。

12. Vanessa Paradis – Be My Baby

鶴巻育子

元恋人レニークラヴィッツがプロデュースのアルバム。当時は、フレンチロリータのかわいくてお洒落な曲、といったミーハーな気持ちで聞いていたが、今聞いても心地よく全く飽きない。

13. NIRVANA – NEVERMIND

鶴巻育子

90年代流行したグランジの代表的バンド、ニルバーナのデビューアルバム。プールで泳ぐ赤ちゃんのジャケットはあまりにも有名。
カットモデルをしていた閉店後の銀座の美容室でラジオを聞いていたら、カートコバーンが自殺したニュースが流れ、追悼の意を込めてこのアルバムをみんなで聞いた思い出があります。

14. Chick Corea & Bob McFerrin – スペイン

岡村嘉子

飛行機での長距離移動の際に、心地よい疲労感の中で、ひたすら音に身を浸すように聴くための音楽が私にはいくつかあります。本作もそのひとつ。仄暗い機内という、地から遠く離れた天空に漂う閉じられた小部屋から、無限に開かれた光ある場所へと誘ってくれる音楽です。演者二人もさることながら、ライヴゆえに挿入された観客の反応もまた、温かく愛おしい音となっています。本年2月に逝去したチック・コリアへの哀悼の意を込めて。

15. 自由にアルバムを選ぶ

1〜14以外以外のあらゆる音楽アルバムから、自分の好きなアルバムをお選びください。

シングル課題曲

1. 細野晴臣 – 三時の子守歌

育緒

アルバム『トロピカル・ダンディー』 に収録されている曲。息子が赤ん坊の頃、よくこれを聴きながら昼寝をしました。原因もないのに不安を感じたり焦ったりすることが多かった産後鬱の時期、どれほどこの曲に救われたことでしょう。子育てが終わった今、どんな写真が曲に合うのかアレコレ考えをめぐらせてみたいと思います。恋人の頭を膝にのせながら歌っている曲かもしれないので、そういうバージョンでの制作もありかと。

2. 大貫妙子 – 三びきのくま

育緒

「3びきのくま」というのはゴルディロックスという女の子が出てくるイギリスの童話なのですが、その内容に哲学的エッセンスを感じた人たちが、〈ちょうどいい場所〉をゴルディロックス・ゾーンと表現するようになり、今では環境問題について話し合う際に〈人類にとって最適なゾーン〉を意味する言葉として使われ始めています。このタイトルと歌詞に宇宙への思いを込めたと大貫妙子さんは言っています。永遠の時空を感じさせてくれる透明な歌声が心に沁みます。

3. Caetano Veloso – cucurrucucu paloma

育緒

病で死んでしまった女性を想うあまり自分も命絶え、鳩になってあとを追う男性の哀しい歌ですが、メキシコでは伝統的な唱法で歌い継がれ、広く国民に愛され続けています。このカエターノのバージョンは映画『ブエノスアイレス』の中で流れていたのを記憶している人が多いのではないでしょうか。〈自ら死を選んだ人〉を見つめて書かれた詩とメロディーなのに、ため息が出るほど美しい。その切なさをどう見せればいいのか、難しいですね。難しいからこそ是非チャレンジしてみて下さい

4. Blur – Tender

大和田良

学生の頃、家のターンテーブルに良く乗っていたレコード。灰色の窓に雨が当たる朝を思い出す。あと一回休んだら単位落とすのに、雨。

5. Michael Jackson – MAN IN THE MIRROR

大和田良

地獄のように忙しかった20代の頃、1日が終わる午前5時頃にかけて気絶するように眠った子守唄。

6. Hania Rani – F Major

安達ロベルト

まさに鬼才と呼ぶのがふさわしいアイスランドの若き女性コンポーザー&ピアニスト、ハニャ・ラニ。動画はアイスランドの壮大な自然を背後にピアノを弾きまくる彼女と躍りまくるダンサー。人口35万人のアイスランドからなぜこれだけ多くの豊かな才能が生まれるのか不思議。

7. Greg Haines – 183 Times

安達ロベルト

グレッグ・ヘインズによるアンビエントなシンセサイザーとヴァイオリンの即興的メロディ。坂本龍一さんがあるイギリスのラジオ番組でおすすめプレイリストに入れていたことで知った曲。永遠に聞き続けらそうなメディテーションでありマインドフルネスそのもの。

8. Stevie Wonder – A Place in the Sun

鈴木光雄

この曲の邦題は「太陽の当たる場所」。12歳でデビューしたスティービーワンダーが16歳の時の1966年に発表した曲。マレーシアに住んでいた頃、この曲をよく思い浮かべながら綺麗な陽の光を求めてスナップ撮影していました。

9. UNICORN – すばらしい日々

鈴木光雄

1993年にユニコーンが解散前に発表したシングル曲。
ユニークな曲が多いユニコーンだが、いろいろな解釈ができる深い歌詞が印象に残る名曲。

10. Bob Dylan – The Times They Are A-Changin’

塚本宏明

同名タイトルのアルバムから1965年にシングルカットされた曲。時代の変化に即さない古い価値観や意識を持つ人たちへのメッセージソング。最近の日本の社会、政治、経済の話題で、よくこの曲が頭に浮かびます。ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの詩を読んで、目でも耳でも感じてほしいです。

11. Mr.Children – GIFT

塚本宏明

恥ずかしいくらいストレートに肯定してくれる曲。光や色といった言葉が写真をしている人間には引っかかる。Giftは「贈り物」という意味だけではなく、「天から与えられた恩恵や才能」の意味もあり、色々な曲の聞き方が出来る。

12. 西城秀樹 – 愛の園(AI NO SONO)

鶴巻育子

小学2年生の時にこの曲を聴いて、やたらと感動しお小遣いでレコードを購入。暗い曲が好きと思われるのが恥ずかしく誰にも言わずに、部屋でひとり静かに聴いていた。大人になってから、スティービーワンダーの楽曲だったと知る。

13. Guns N’ Roses – Patience

鶴巻育子

バブルの頃、学生の海外ホームステイが流行しいた。私も高2の夏にLAへ。ホームステイ先の同年代の女の子レイチェルがお別れの印にプレゼントしてくれたのが、この曲のシングルカセットだった。口笛から始まるのがいい。歌詞は単純で今聞くとダサイが、その野暮ったさも魅力。

14. Enrique Granados – 第 5 番 アンダルーサ(スペイン舞曲集より)

Danza espanola no 5, Andaluza
作曲/エンリケ・グラナードス Enrique Granados

岡村嘉子

この曲が、ヴィクトル・エリセ『エル・スール』のラストシーンにて、父を失った少女の決意の独白とともに映し出される、荒涼たるスペインの大地を貫く一本道と結びついているのは、おそらく私一人ではないでしょう。1930年代のスペイン内戦が、個々人の内奥に与えた影響を丹念に描く映画と、秘匿せざるをえない心の機微をなぞるかのような旋律があまりにも見合っているため、それに代わるイメージがなかなか生じずにいます。

また、第一次世界大戦がもたらしたグラナドスの最期に目を転じれば、これほどまでの才能を瞬時に奪い去る「戦争」という、より普遍的なテーマについて考えさせる曲でもあります。ぜひ様々な角度から、新たなデザインをご制作頂ければと思います。

15. Gipsy Kings – ヴォラーレ

岡村嘉子

人生には様々なことがあるものの、せめて最期はこのような境地で旅立ちたいと思わせる曲。歌詞をぜひご一読ください。原曲は1958年、イタリア人歌手ドメニコ・モドゥーニョによるものですが、何世紀にもわたり定住の地を持たずにきたロマ出身であるジプシー・キングスの1989年のアレンジこそが、歌詞とより合致し、殊更味わい深いものになっているように思います。

16. 安達ロベルト – eclipce